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「漢方についての本を読んだけれど、結局よくわからなかった……」
「専門用語が多くて難解。わかった気になっても、実際の診療で何を使えば良いのか迷ってしまう」
日々の診療の中で、そんな経験はありませんか?
拙著『子どもをみる医師のための子育て漢方』(中外医学社)は、そんな先生方の「わからない?」を「わかった!」に変えるため、「3つのみかた(軸)」で漢方を立体的に捉える仕組みを作りました。
漢方薬を「立体的」に捉えるとは?
本書の最大の特徴は、漢方薬を平面的ではなく、多面的・立体的に捉えるアプローチです。
例えば、「柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)」という処方があります。これを多面的に見ると、以下のように全く異なる病態に使えることがわかります。
- 急性疾患: 風邪の引き始めやこじれた時
- 慢性疾患: 夜尿症、てんかん、機能性腹痛症
「えっ、この薬がここにも使えるの?」
そんな驚きと共に、たった1つの処方で診療の幅が一気に広がる快感。
この「横のつながり」を体感し、手持ちの武器を何倍にも増やせることこそ、本書最大の醍醐味です。
本書の活用事例:3つのステップで迷わない
本書では、初心者から実践者まで、レベルや状況に合わせて使えるよう4つのステップを用意しています。ここでは具体的な活用事例をご紹介します。
【活用事例①】初めて漢方薬を勉強する場合(基本の4ステップ)
まずは基本の「縦・横・奥行き」を使って、体系的に学びます。
- 縦軸(ステップ1):
第1章で「この病気にはこの処方」という1対1の対応(病名処方)を学び、まずは使える武器を手に入れます。 - 横軸(ステップ2):
第2章で「その漢方薬がどんな生薬の集まりでできているか」を分解。なぜその病気に効くのか、構成生薬(中身)から理解を深めます。 - 奥行き(ステップ3):
第3章で、各疾患の鑑別処方を学ぶ。「似たような症状だけど、こっちの薬のほうが合うかも?」という応用力を養います。 - 診療の疑問(ステップ4):
実際の現場で生まれる疑問を解決し、知識を定着させます。
【活用事例②】「なんとなく」の処方から脱却したい場合
「いつもこの薬を出しているけれど、本当にこれでいいのかな?」と迷った時は、第2章(横軸)が役立ちます。
- 処方を構成する「生薬」の意味を知ることで、「なぜこの患者さんに効いたのか(あるいは効かなかったのか)」という理屈(ロジック)がわかります。
- 丸暗記ではなく「理由」がわかるので、臨床での応用が利くようになります。
【活用事例③】治療効果が停滞した時の「次の一手」を探す場合
ファーストチョイスの薬で改善が見られない時は、第3章(奥行き)を活用してください。
- 同じ病名でも、患者さんの体質や微妙な症状の違いによって、最適な漢方は異なります。
- 微調整のための鑑別リスト(引き出し)を持っておくことで、治療の行き詰まりを打破できます。
どんな方向からでも「答え」が見つかる
縦(病名)、横(生薬・構成)、奥行き(鑑別)。
この本は、上から見ても下から見ても、どんな切り口からでも必要な漢方に辿り着けるよう、様々な工夫を凝らしました。
漢方薬を「多面的」に捉える視点を身につけることで、明日からの診療の景色が少し変わるはずです。
ぜひ、明日の診療にお役立ていただけましたら幸いです。
書籍情報・ご購入はこちら
『子どもをみる医師のための子育て漢方』
(著者:鈴村 水鳥 / 出版社:中外医学社)
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まとめ
- 漢方は「多面的」に捉えることが重要
- 「縦・横・奥行き」の3軸で理解すれば、迷わない
- 急性から慢性まで、1つの処方の可能性を広げる