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こんなものではない――漢方薬の本当の力を伝えたい

漢方薬は、
なんとなくふんわり効いて、
なんとなく良くなるもの。

そんな印象を持たれることがあります。

でも、私は思っています。

漢方は、
こんなものではない、と。

私が漢方の本当のすごさを知ったのは、
煎じ薬を処方するようになってからでした。

こじらせた起立性調節障害。
不登校。
そして、神経発達症の特性が強く、
授業中に座っていることさえ難しかった子どもたち。

その子たちが、
少しずつ、でも確かに落ち着き、
本来の力を取り戻していく姿を見てきました。

もちろん、私が治しているわけではありません。

その子の中にある「治る力」。
その子がもともと持っている良さ。
まだ開ききっていない花。

それを、どうしたら引き上げられるのか。
どうしたら、もう一度その子らしく咲いていけるのか。

煎じ薬を考えるとき、
私はいつも、目の前の子どもにとって
最高で、最善の一方を探しています。

そこには、
処方の知識だけでは届かないものがあります。

その子の表情。
眠り方。
お腹の状態。
学校での様子。
家族の疲れ。
言葉にならない違和感。

そうしたものを一つひとつ受け取りながら、
今、この子に必要な一方は何かを考えます。

煎じ薬は、
子どもの不調を整えるだけではなく、
時に、その子の人生の流れを変えるような力を持つことがあります。

それは大げさな言葉ではなく、
私が臨床の中で、何度も感じてきたことです。

元気がなかった子が、少しずつ表情を取り戻す。
学校に向かえなかった子が、自分のペースで一歩を踏み出す。
落ち着かなかった子が、自分の身体の中に戻ってくるように見える。

その変化に出会うたびに、
漢方はまだまだ伝えきれていない、と思います。

6月の学会ランチョンセミナーでは、
これまでの症例経過とともに、
煎じ薬が子どもたちにもたらしてきた変化についてお話しします。

今、圧倒的な熱量で、
漢方の本当の素晴らしさを伝えたいと願っています。

たった一人でもいい。

漢方の力が、誰かの心に届き、
その先生の診療が変わり、
その先にいる子どもと家族の未来が、
少しでも明るい方向へ動いていく。

そのきっかけになるなら、
これほど嬉しいことはありません。

私はその意図を持って、
この発表に向かいます。

漢方は、
ふんわりとした治療ではありません。

目の前の人を深く見つめ、
その人の中にある力を信じ、
もう一度、その人らしく生きていく道を探す医療です。

そのことを、
今の私の言葉で、
誠実に、まっすぐに届けたいと思っています。

座長は私がとても尊敬する谷川先生がお引き受けくださいました。先生、本当にありがとうございます。

一生懸命、漢方愛を届けて参ります。


「親子が喜ぶ“最初の一手” 子どもの育ちを支える 湯液治療」

日時は 2026年6月13日(土)12:30〜13:30
会場は 富山国際会議場 第2会場(201+202) となります。
座長は 谷川聖明先生(谷川醫院 院長/京都大学医学部附属病院 特任病院准教授)
演者は 鈴村水鳥(名鉄病院 小児漢方内科/かけはし糖尿病・甲状腺クリニック 漢方内科) です。

ランチョンセミナーは 事前申込制 となります。総会ホームページよりお申し込みください。
https://convention.jtbcom.co.jp/76jsom/seminar.html