先日、とても嬉しい再会がありました。
研究のデータ集めが続いていて、もうお腹はペコペコ。
「今日は美味しいお蕎麦を食べよう」と評判のお店に入りました。
満席だったので、入口で少し待っていると、
「もしかして、先生ですか?」
と声をかけていただきました。
なんと、そのお店は、以前診ていた患者さんのご両親が営まれているお蕎麦屋さんだったのです。
漢方外来を卒業して、もう3年以上。
それなのに、
「先生にずっと会いたいと思っていたんです。」
そう言っていただけて、本当に嬉しくなりました。
彼に初めて会ったのは、もう5年くらい前でしょうか。
お腹が痛くて学校へ行きづらくなり、ご家族と一緒に悩みながら外来に来てくださいました。
お子さんだけではなく、お母さんの診察も一緒に行っていましたが
「家に帰ると座ったまま寝ちゃうんです。」
と話してくださっていたことも、昨日のことのように思い出しました。
お店に伺って、その理由がよく分かりました。次から次へとお客様が来られて、本当に大繁盛。あの頃のお母さんは、毎日こんなにも一生懸命働いていたんだなあと、その時の景色がようやくつながった気がしました。
そして何より嬉しかったのは、彼の近況です。
今は高校生。
勉強も頑張って、サッカーも続けていて、文化祭では実行委員長まで務めているそうです。
中学に入ってからも学級委員や生徒会で活躍していたことは聞いていましたが、
ますます素敵な青年になっていることを本当に嬉しくお伺いしました。
その話を聞いていたら、お母さんから
「先生が『離れても心はつながっています。絆は深くなるから大丈夫。』と話してくれたから、
彼らしく生きることを安心して見守ることができました。」と話してくださいました。
診察室で交わした言葉と景色を今でも鮮明に覚えています。
「あなたは大丈夫。」と彼に話していた時の情景。
そして、お母さんには、
離れていても心は繋がっているから大丈夫。子どもを信頼して見守ろうと、そんなお話をしたことがありました。
私自身、子育てをしていて思うのです。
子どもを信じて見守る。
言葉にするのは簡単だけれど、実際には一番難しいことなのかもしれません。
つい口を出したくなる日もあります。
心配で待てない日もあります。
だからこそ、ご家族みんなで歩んできた時間があって、今の彼がいるのだろうなあと感じました。
彼が彼らしく花を咲かせている理由が、少し分かった気がしました。
そして私は、お蕎麦にまぐろの漬け丼をいただき、お腹いっぱいになったところに、天ぷらや食後のアイスクリームまでごちそうになってしまいました。
どれも本当に美味しくて、お腹だけではなく、心まで満たされました。
疲れていたはずなのに、帰る頃には不思議と元気になっていました。
外来を卒業した子どもたちの、その後を知る機会は、そう多くありません。
だからこそ、こんなふうに偶然再会して、「元気に頑張っていますよ」と聞かせてもらえる時間は、私にとって何よりの宝物です。
目の前の子どもが元気になること。
それは、その子一人だけではなく、ご家族の笑顔につながり、その先の未来にもつながっていく。
そんなことを改めて感じた一日でした。
漢方に出会えて、本当によかった。
幸せなご縁に心から感謝しています。
(ご家族より掲載のご許可をいただきました。ありがとうございます)