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第76回日本東洋医学学会学術集会を終えて

第76回日本東洋医学会学術総会に参加してきました。

今回の学会は、私にとって忘れられない時間になりました。
初めての座長。
そして、ランチョンセミナーでの講演。

始まる前は、とても緊張していました。
けれど終えてみると、発表や講演そのもの以上に、たくさんの先生方とのご縁に支えられた3日間だったように感じています。

1日目は、当院の薬剤師による発表がありました。

テーマは、
ASD児の味覚過敏に寄り添う服薬指導

当院の小児漢方外来では、医師だけでなく薬剤師も一緒に、子どもたちやご家族の困りごとを伺いながら服薬を支えています。

漢方薬は、子どもにとって「飲めるかどうか」がとても大切です。
味やにおいに敏感な子にとっては、薬そのものが大きなハードルになることもあります。

だからこそ、ただ「飲ませる」のではなく、
その子の感覚に寄り添いながら、
ご家族と一緒に工夫していくこと。

日々の外来で大切にしているその積み重ねを、薬剤師の先生の視点から発表してもらえたことは、私にとってもとても嬉しい時間でした。

2日目は、小児科セッションの座長を務めさせていただきました。

初めての座長ということで、正直なところ、かなり緊張していました。
けれど、発表された先生方の演題がどれも素晴らしく、質疑応答も大変学びの多いものでした。

新しい視点をもとに、私が一番勉強させていただいたように思います。

その後は、ランチョンセミナーで講演をさせていただきました。貴重な機会をいただきました栃本天海堂の皆様に心よりお礼を申し上げます。

今回は、湯液治療を中心に、
子どもたちが漢方治療を通してどのように変化していったのかをお話ししました。

座長を務めてくださった谷川先生の温かい進行に支えていただき、
緊張しながらも、日々の外来で見てきた子どもたちの変化を、私なりの言葉でお伝えすることができました。

湯液治療には、エキス剤とはまた違う奥行きがあります。
一人ひとりの子どもの状態を見つめ、その子にとって今、何が必要なのかを考える時間があります。

講演後の質疑応答や、その後に先生方とお話しする時間の中で、
新しい視点や、これからの診療につながるヒントをたくさんいただきました。

そして何より嬉しかったのは、学会場のさまざまな場所で
「子育て漢方を読んでいます」
とお声がけいただいたことでした。

本を通して、まだ直接お会いしたことのない先生方とも、どこかでつながっていたのだと感じました。
本当にありがたく、胸が温かくなる時間でした。

3日目の最終日は、以前お世話になった先生にもお会いしたいと思い、日韓共同シンポジウムに参加しました。

黄連解毒湯を中心に、日本と韓国それぞれの考え方や、臨床での使い方を学ぶことができました。

同じ処方であっても、国や診療文化によって見え方が少しずつ異なること。
その違いを知ることで、処方への理解がさらに深まること。

とても刺激的で、もっと学び続けたいと思う時間でした。

学会は、ただ発表するだけの場所ではないのだなと、今回あらためて感じました。

新しいご縁が生まれる場所。
次の診療のヒントをいただく場所。
そして、これまでいただいてきたご縁を、もう一度結び直す場所。

そんな時間だったように思います。

たくさんの先生方に支えていただき、無事に初めての座長とランチョンセミナーを終えることができました。
心より感謝申し上げます。

次は、7月の小児漢方懇話会です。

また新しい出会いがあることを、今から楽しみにしています。