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大学院入試を終えて

準備の過程で大切にしていたこと

大学院の試験が終わりました。
私自身、これまで多くの方のノートやブログに助けられながら準備を進めてきたので、少しでも還元になればと思い、記録として残しておこうと思います。

今回は、小論文対策と面接対策について。
ただ、いわゆる「対策方法」というよりも、準備の過程で何を一番大切にしていたかという視点で書いてみます。


小論文で意識していた「軸」のこと

小論文対策で一番意識していたのは、

  • 自分は、これからの研究で何をしたいのか
  • 指導教官は、受験生の何を知りたいと思っているのか

この二つを、何度も往復しながら考えることでした。

書いて、直して、また書いて。
この作業を、本当に何度も繰り返しました。

準備として意識していたことは、主に三つあります。

一つ目は、これまでの先行研究をできるだけ丁寧に読むこと。
「どこまで分かっていて、どこがまだ分かっていないのか」を意識しながら読みました。

二つ目は、それを自分の臨床とどうつなげていくかを考えること。
文献の中の言葉を、そのまま借りるのではなく、
「自分が日々診療で感じている問いと、どこで重なるのか」を探していました。

三つ目は、指導教官の立場に立って考えること。
もし自分が指導する側だったら、

  • この学生は、何が見えていて、何がまだ見えていないのか
  • 何を理解していて、何がまだ整理できていないのか
  • 臨床の問いを、どこまで科学として扱えそうか

そうした視点で、小論文を読み返していました。

臨床の問いと、研究としての問いのあいだには、どうしても「隙間」があります。
その隙間を、少しずつ埋めていくような感覚で、小論文の土台を作っていきました。


想定外の問いでも、戻れる場所をつくる

もちろん、自分が考えていたテーマがそのまま出題されることはありませんでした。
それでも、基本となる軸を事前に作っておいたことで、
どんな問いが来ても、そこに結びつけながら書くことはできたように思います。

完璧に書くことよりも、
「自分は、どこに立って考えているのか」が伝わること。
その方が大切なのかもしれないと、今は感じています。


面接は「見えていなかったもの」に出会う時間

面接は、実はとても楽しみにしていました。
なぜなら、自分では気づいていない視点を、解いてもらえる時間でもあるからです。

今回は主に、
漢方医療を、どのように社会に実装していくか
という話題になりました。

漢方医療は、一人ひとりの状態に合わせた治療を行うため、
どうしても「AならB」という単純な形にしにくい側面があります。

一方で、感染症流行時などに、
漢方治療が重症化の抑制に寄与した可能性が示された例もあり、
個別化医療を、どのように社会全体に役立てていくか
という視点は、今後ますます重要になると感じています。

私自身、発達特性のあるお子さんの診療を続ける中で、
オーダーメイドで関わりながらも、
症例が積み重なることで、共通して見えてくるものがあると感じています。

それを、

  • どのような構成で整理し
  • どこまで抽象化し
  • どの形なら論文として成立するのか

そこまで考え切れていたかというと、
正直、見えているつもりで見えていなかった部分も多かったと思います。

面接では、
「ここは、まだ分かっていません」
と正直に伝えながら対話できたことが、とても印象に残っています。


同期になるかもしれない先生方との出会い

もう一つ、心に残ったことがあります。
博士課程の同期になるかもしれない先生方が、
中国やベトナムなど、海外から来られている方ばかりだったことです。

それぞれが、はっきりとしたミッションとパッションを持っていて、
その空気に触れられたこと自体が、大きな刺激になりました。

北海道や愛媛から来られている先生とも、
少しずつ言葉を交わすことができ、
全国、そして海外に仲間が増えていく感覚がありました。


結果は分からなくても

結果は、まだ分かりません。
ただ、やるべきことにベストを尽くした、
という感覚は、今も手元に残っています。

ひと区切りついたので、
また日々の診療に戻り、
目の前の患者さんと向き合う時間を大切にしていこうと思います。

この準備の時間そのものが、
すでに次の臨床や研究につながっているような気もしています。