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母であることから生まれた、私の研究の問い

大学の履修計画を見た瞬間、正直、少し息が止まりました。
こんなに単位を取らなければいけないのか。
子どもを育てながら、臨床をしながら、講演会や執筆もしながら、本当に私は卒業できるのだろうかと思いました。

いや、これは絶対に無理なのではないか。
そう思ってしまったのも、本当です。

早々に8年間の長期履修制度に申し込もうかと考えたり、いや、あまりにも無謀な賭けに出すぎたのではないかと反省したりもしました。
夫には、「色々と調べてから受験するものなんじゃないの?」と言われました。
たしかにその通りだと思います。
でも一方で、もし私が、何事も用意周到に調べてからでないと動かない人間だったら、今回の挑戦はしていなかったのではないかと思います。

もちろん、今も先行きは不安です。

それでも、子どもを育てながら研究するからこそ見える問いがある。
私はそう信じています。
私が母でありながら研究者になりたいと思ったのは、日々の子育てそのものが、私にとっての原体験になっているからです。

幸せな子育てをしたいと、誰もが願っていると思います。
けれど、実際の子育てはそんなに簡単ではありません。

母親になると、日々のタスクが一気に増えます。
何時にこれをして、次にあれをして、そのあともまた別のことを考えて。
頭の中はいつもフル回転で、気がつくと、やるべきことがずっと頭の中に残っています。

そこに、子どもの急な病気が重なります。
立てていた予定はすべて崩れ、職場に申し訳なさでいっぱいの電話を入れ、まわりの人に助けてもらいながら、その日をなんとか回していく。
そういうことの繰り返しです。

余裕がなくなれば、夫婦仲がおかしくなることもあります。
でも、そういう一つひとつを乗り越えながら、家族になっていくのだと思います。

それでも・・・私がこれまでの人生で、いちばん幸せなこと。
それは、娘のお母さんになれたことです。

これ以上のものは、この先もう見つからないのではないかと思うくらい、母であることが本当にありがたく、嬉しいです。
こんなに大切な存在を与えてもらえたことに、感謝しかありません。
そして、こんなに大切な存在を与えてもらえたからこそ、私は社会に貢献したいと思うようになりました。

病院に来る時間は一瞬です。
でも、お家に帰ってからの時間のほうが、ずっと長い。
だからこそ私は、親子の暮らし全体を支える医療ができないだろうか、と考えるようになりました。

どうしたら、親子の暮らしそのものを整えることにつながるのか。
どうしたら、家族がもう一度、呼吸を合わせられるような支えができるのか。
そんなことを、私はずっと考えてきました。

母である感性を、研究の妨げではなく、問いを生み出す力に変えたい。
そして、子どもと家族の暮らしを支える漢方医学を、研究と臨床の両方から育てていきたい。 それが、今の私の願いです。

不安が消えたわけではありません。
それでも、母であるからこそ見える景色があり、母であるからこそ立ち上がる問いがある。
そのことを大切にしながら、これから一歩ずつ進んでいきたいと思っています。